アビガンが効いた!

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急性呼吸窮迫症候群を発症し、救命に成功した COVID-19 (中国コロナ)事例:

【症例】69 歳、男性 
慢性閉塞性肺疾患( COPD : chronicobstructive pulmonary disease)、
高血圧症、高尿酸血症、白内障 
飲酒:機会飲酒 
喫煙歴:20~65 歳頃 20 本/日 

入院 10 日目に 40.8℃の発熱および意識障害が出現し、酸素経鼻 5.0L/分投与下で SpO2:80%台半ばを維持できなくなったため同日集中治療室に入室し、気管挿管、人工呼吸管理を開始した。

集中治療室入室時の CT 所見を Fig. 1C.に示す。

肺炎像は増悪しており、両側肺野のびまん性、非区域性のすりガラス影が著明に拡大

抗ウイルス薬については、気管挿管時にLPV/r 投与開始後 10 日が経過していたが、同日提出した鼻咽腔ぬぐい液による SARS-CoV-2 RT PCR が陽性であり、 臨床所見の改善傾向が得られなかったことから気管挿管当日よりファビピラビル(アビガン)に変更した。

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気管挿管後 7 日目 (入院 16 日目)より徐々に酸素化が改善し、また同日頃より熱型も改善傾向を示した。

気管挿管後 10 日目(入院 19 日目)の胸部 CT 像 を Fig. 1D.に示す。

両側肺野に拡大していたびまん性のすりガラス影は 一部を残して消退しており、明らかな線維化所見も認められなかった。

気管挿管後 13 日目(入院 22 日目)に抜管し、人工呼吸器を離脱した。

抜管翌日(入院 23 日目)には酸素投与も終了し、翌日(入院 24 日目)には ICU を退室し、感染症病棟に転棟した。

入院 28 日目、29 日目に採取した 鼻咽腔ぬぐい液による SARS-CoV-2 RT PCR がいずれも陰性

入院 34 日目現在では室内歩行可能となったため、近日中に退院予定である。

市立福知山市民病院
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200415_4.pdf

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