中国国家統計局が、10月18日に予定していた、7-9月期GDPなど経済指標の発表が延期となった。
習近平の「権威」とやらを傷つけないよう、共産党大会中の発表を避けたのだろうか。
中国では、チャイナチス中国共産党にとって
「良いことは100倍、悪いことは100分の1」
にして発表することが多い。
鉄道の脱線のような事故なら、死者数を100分の1にして発表するくらい、いつものことだ。
▲中国高速鉄道の脱線転落事故
地面に穴を掘って事故車両を埋め、事実を隠蔽しようとした
だがさすがにGDPのような大きな数字では、そこまで露骨なウソもつけず、今までは真実の数字に2~3%くらい上乗せして発表してきたと言われている。
それが今回突然、GDPの発表を延期したのは、そんな従来の小手先のゴマカシが効かないほど、極端に悪い数字が出たのだろう。
中国税関総署も10月14日に予定していた、9月貿易統計の公表を事前通知もなく見送っている。
習近平の「ゼロコロナ」政策によって、中国社会は大混乱に陥り、いまGDP統計を公表できなくなるほど自業自得の経済苦境に陥っている。
実際、上海市のロックダウン(都市封鎖)など強権的なコロナ感染対策が、社会生活や経済活動を壊滅的に破壊し、人民の不満が大爆発中だ。
北京市内の高架橋に10月13日、習近平政権を批判する横断幕が掲げられ、
「PCR検査は不要だ!
食事が必要だ!」
と書かれていた。
▲習近平政権を批判する横断幕
そんな人民の不満なんぞ無視して、習近平は10月16日の中央委員会活動報告(政治報告)で、総書記就任後の2期10年で貧困脱却などを果たしたとして、
「中華民族発展史に輝く
歴史的勝利を収めた!」
などと馬鹿げた自画自賛をした
GDPを永久に隠すことは出来ないので、近日中に発表すると思うが、余りのヒドい数字に、中国発の世界大恐慌にならないといいのだが
((((;゚д゚))))
中国事情に詳しい評論家の石平氏(→):
「経済状況がかなり悪くなっているのだろう。
そこそこ悪い程度なら、延期せずに成長率を少し上乗せして発表したはずだ。
粉飾できないほどの数字になっているのではないか。
中国経済が落ち込んだ直接の理由は『ゼロコロナ』政策で、誰から見ても経済の足を引っ張っている。
習氏が党大会で自画自賛したから、発表したら習氏の顔に泥を塗ることになる。
GDP発表の延期は政治的な意味合いが大きい」
評論家の宮崎正弘氏(→):
「7~9月期のGDPは、各工業生産地がロックダウンした時期で、一番深刻な数字が出るとみられている。
さらに、不動産不況に地方での銀行取り付け騒ぎもあって、中国経済は何もいいことはない。
それにもかかわらず、まだ『ゼロコロナ』政策をやっている。
悪循環が続いており、経済状況が相当深刻ということが発表を遅らせた主な原因だろう。
党大会が終わって、新人事を華々しく発表する陰で、こっそりとGDPを発表するのではないか」